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去年夫が定年退職しました。シニアライフmakingやライフワークのこと等


by nokonori
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サイレントグリーフ(黙した悲しみ)その壱

 親を自殺で亡くした自死遺児は、悲しみを封印して暮らしています。
親の自殺を語る怖さ、誰にも言えない複雑な想いを抱えながら、社会の偏見や
タブー視される風潮の中、世間を恐れながら生きています。

  それを、サイレントグリーフ(黙する悲しみ)といいます。

「サイレントグリーフに沈む遺児たちを救うにはどうしたらいいか・・・」
あしなが育英会の西田正弘さんは、考えつづけた結果
「そうだ、遺児に聞いてみよう」と、2001年自死遺児だけの2泊3日の合宿
を行いました。
はじめ頑なに口を閉ざしていた子供たちも、一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に
入るうち、少しずつ心を開いて、親の自殺について語り始めました。
悲しかった・辛かったと言えるようになり、サイレントグリーフの堅い鎧が崩されて
いきました。気持ちを分かち合える仲間ができ、自分の気持ちや故人と向き合い、
それが日常生活に戻った時、前を向いて歩いて行ける力となりました。

 この時の遺児の声は、「自殺っていえなかった」という一冊の本となって世に出、
テレビで取り上げられ、それによって多くの持つ自死遺児たちの心を救いました。
    
      その打たれた傷によってわれわれは癒されたのだ
                     (イザヤ53:5)


 自分の受けた傷の事を話すのは勇気が要りますが、
その傷は声となって他の人の傷を癒すのです。
 それだけではありません。
傷は他の人が傷つくことを防ぐこともできるのです。

サイレントグリーフが、声となって世に発信され「社会化された痛み」に変わる時
自殺予防の働きもするのです。次回はそのパワーについて書きますね。

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by nokonori | 2011-05-24 22:07 | 日常